西正寺穂純 新居浜太鼓祭り回想録(5)

昭和46年 16(土)17(日)18(月)

●この年には、朝日放送のワイドサタデーというテレビの生中継が大丸前からありました。この年布団締めと上水引を新調した中須賀太鼓台と、西町太鼓台・西原太鼓台の3台が出演しました。中須賀が布団締め等を新調したのと、指揮者のジャージの背中に指揮者個人ネームが漢字で縫い付けられており川西の太鼓はカッコ良いなと思いました。以前は川西の太鼓台といっても万博に広場した大江と江口しか知りませんでしたが、川西の8太鼓台の名前を全部知りました。案外数が少いのとケンカの組合わせが簡単なので拍子抜けした思いがします。2日目は日曜でしたが、市役所前で川東・川西・上部の太鼓台が「太鼓寄せ」を行い賑わいました。川西は地元なので8台全部が参加、川東は多喜浜駅より西の7台のうち昨年のケンカで出場を見合わせた町太鼓台を除く6台、上部は6台の全部合わせて20台でした。市役所庁舎前交差点から一宮神社側の県道に川西が、労働基準監督署側に上部が、文化センター側に川東が並びました。この太鼓寄せは新居浜市が3年間で川西・川東・上部の順で順ぐりに重点地区を年毎に決めて催し物を出して市内外に売り出そうという作戦でした。一応の成功は収めたものの、中央公園の草花が踏み荒されているなどと新聞で叩かれていました。

●午後は多喜浜駅前へ行き、ここで初めて東浜太鼓台を見ました。市役所前には来ていなかったので、見せ場はここぞとばかりに頑張っていました。今と同じ青色の雰囲気を持つ太鼓台でした。ところがこの後大雨になってしまいました。

●3日目は学校で授業を受けた後、何とか八旛神社に間に合いました。6台の太鼓台が宮入りしていて何事もなく済みそうでしたが、宮出しの際に山端澤津にほんの少しだけ棒を向けました。今ならケンカにも何にもならない程度のものでしたが結局は神社前県道上で一戦交えることとなってしまいました。上水引と高欄幕を外したスタイルでの戦いで、そこそこつつきあって止まりました。町が休場しているので仮に本郷が参戦すると澤津も危なかったかも知れませんでしたが、山端も十分に戦い本郷の出番はありませんでした。本郷太鼓台はケンカスタイルで参道南側で戦況を見つめていました。

●この頃は八旛さんの宮入りは午後2時位からに設定されていました。宮出しが済んでからでも日没までにはかなり時間がありました。だいたい宮入り終了後一勝負あってそれを見届けた後、自転車を川西へ走らせるのがツウの観方などと言われていました。自分もツウになるべく自転車を飛ばしました。元塚あたりまで来ると裸太鼓が目に入りました。マルニふとん店付近の昭和通りで2台の太鼓台が押したり引いたりしていました。脇の道にも応援の太鼓台が居るようです。昭和通りでの2台の太鼓台は東町太鼓台中須賀太鼓台であるのは九重の上の旗で容易に分かりましたが、良く見ると中須賀のカキ棒の先には何と鉄材が取付けられているではありませんか。ショックでした。こうまでしてもケンカをしなければいけないのか。川西の太鼓台は四本柱が木だから真面に当ったら九重が落ちてしまうかも知れないのです。更にショックだったのは後日中須賀太鼓台の指揮者が逮捕されたというニュースを知った時でした。逮捕された人の名前は紛れも無く、1日目に大丸前でカッコ良く指揮をとっていたあの4人でした。

昭和47年 16(月)17(火)18(水)

●あの町太鼓台が上水引と高欄幕を新調して登場しましたが、布団締めは古いままでした。何ともアンバランスでしたが、来年は全部サラかと思うと心がワクワクしました。更には今年休場している澤津・山端の両太鼓台も来年か再来年には全部サラかと思うと益々夢が広がりました。この年から暫くの間市内全域で平和運行が実行されることになりました。取締り当局が厳しい姿勢を打出したからでしょう。川西では中須賀太鼓台が休場しました。

●この年の祭りの後で私の当時としての最大の疑問点が解消しました。その疑問とは、幕のうち下から2段目の幕を何と言うのかというものでした。上水引のことです。川西の太鼓台大好き男から「ウワミズキ」という名前を聞き出したのですが、「上水引」という字を充てることはもっともっと後になってから知ることとなります。

昭和48年 16(火)17(水)18(木)

町太鼓台が全面新調となり神々しいくらい綺麗でした。澤津・山端両太鼓台も上水引と高欄幕を新調してきました。澤津の幕はキラキラ輝き奇麗に見えましたが、山端の幕はあまり光りませんでした。澤津は良い幕を、山端はボロい幕を作ったなと感じていましたが、後年山端の幕の実力を知ることになります。

西正寺穂純は昭和50年代にはドサ廻りに出ていました。それで次回以降の新居浜太鼓祭り回想録は毎年ではなくトビトビになります。

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